前回、お話したように建国の宣言や建国の経緯を義務教育で教えていないのは、恥ずかしながら我が國だけなのです。
あまりにも当たり前な事なのにそれを実施していない文科省は一体何処の國の監督官庁なのでしょうか?
それでは、その建国宣言や建国の経緯が書かれている書物はあるのでしょうか。
書かれた書物には、書かれた目的があります。
『古事記』のキーワードは、「諸命以(もろもろのみことをもちて)」です。
創生の七神の神々の命のままに を大前提として神語として書かれています。
では、『日本書紀』のキーワードは何でしょうか?「豈國無歟(あにくになけむや)」です。
我國は神武天皇の創業以来、皇記2670年以上も続いている世界一長い歴史を持っている國なのです。
「あに~や」は打消しの表現を伴う反語です。なので、「あにくになけむや」は「國はあるだろうか、いやありはしない」となります。
そこで、伊邪那岐命と伊邪那美命の二神が底下に矛を差し入れてオノゴロ島を築きます。
そして、國産みをいたします。
豈と言う漢字の由来は、楽太鼓を象形化した字で、楽太鼓は据え置き型の太鼓で、喜びの時や嬉しい時に鳴らします。
つまり、豈國と言うのは「よろこびあふれて、楽しくて楽太鼓を打ち鳴らすような國」と言う意味になります。
そして、無歟はないだろうかと言う意味。通して意訳すると「よろこびあふれて、楽しい國はあるだろうか いやないよね」ということで、じゃあ、なければ、造りましょうとなって、オノゴロ島を築きます。
それが、日本書紀の通底にあります。
次回は「よろこびあふれる楽しい國」とは、どんな國なのか!詳しくみていきます。
参考文献